ベルツ・テルプストラ(オランダ、1949年)
ベルツは、明晰でオープンな考え方の持ち主です。遊び心があり、斬新で魅惑的なアイデアを生み出します。あらかじめ結論のあるテーマについて話すことよりも、先入観なしに会話の糸口を見つけ、対話する相手とのやり取りの中で新しい視点を得ることに長けています。
彼が状況を俯瞰し読み解く力、そして自身の内側の囁きに耳を傾け、なされるべきことを導き出し、実際の行動へとつなげていくプロセスには特筆すべきものがあります。自分自身を含め、彼が出会う全ての人々に対し、彼はこのギフトを与えることを惜しみません。
この思考方法と行動力のもとになっているのは、高度に洗練されたエネルギーの認識です。ベルツは自分自身を空っぽにすることで、忍耐強く、丹念に、誠実に、精緻な介入を行います。この性質が、彼がファシリテートするコンステレーションに十二分に生かされています。彼の内的空間は広大で、穏やかで調和に満ちており、自分自身の源からの力といつもともにあります。この力を心配や同情のために費やすよりも、彼の注意はいつも、真実、正しさ、美しさ、そして質の高さへと向けられています。そして彼は、意思の力や不安からではない場所から、必要な行動を起こすことができます。
ベルツは “not-knowing” の状態のままで行動を起こすことができます。それゆえ、ベルツは先入観を持たないでコンステレーションのフィールドに入って行き、コンステレーションがどの方向へ向かうのかをフィールドそのものが明確にするまで、“not-knowing” の状態でファシリテートを続けていきます。
これらの性質をベルツは常に備えています。そのため彼のコンステレーションのフィールドは、その時に起こるべきことが起き、明らかになるべきことが顕現する場として整えられています。解き明かされるべきことが解き明かされ、癒やされるべきものが癒やされる場です。
マリア・ダニエルス談、2012年7月
ベルツ・テルプストラ 経歴
ライデン大学で数学と物理学を専攻し、大学の数学研究室に勤務(1968年〜1978年)後
シェル石油の研究所で油田探索のコンピュータ解析に携わる(1978年〜1996年)。
その後、独立し、企業、個人向けにコンサルティング、コーチングを行い、あるクライアントの会社を倒産から救い再生に導く(1996年〜)。
さらにシステミックワークを取り入れ、ファミリー・コンステレーションのワークショップを開始し(2002年〜)、トレーニングも提供する(2010年〜)。
その傍ら、科学哲学を学び、その分野で著名な科学哲学者 Paul Feyerabend
(ポール・ファイヤアーベント1924年〜1994年)の未整理の遺稿1,000ページを編集し
“Conquest of Abundance” を出版する(シカゴ大学プレス1999年)。
森岡ひさ子について(ベルツ・テルプストラ談)