精神的なスキル

ここで意味する「メンタルスキル」とは知能の高さではありません。それはどちらかというと、思考も含めた自分の存在全てで、ある状況が働きかけてくることを受け止めることです。そして、ある考えや気づきが浮かび上がるまで待つことです。メンタルスキルは次のような状況で必要とされます。

  1.   システミックな人間関係のパターンを認識する
  2.   欠けているもの、必要とされているものを認識する
  3.   イシューを明確にするために的を絞った質問をする
  4.   行き詰まりを打開するために語られるべき言葉を見つける
  5.   クライアントの話の中に出てこない人:これはクライアントが何を語ったかよりも重要な場合があります

コンステレーションを見て、何が起きているのか理解できないとき、頭の中で問いかけます。「ここで何が起きたのだろうか」そして突然それがわかるのです。例えば、「ある子どもが亡くなった」というように。

バート・へリンガーから初めてこのことを聞いたとき、私たちは「いったいどうやってそんなことができるのだろうか」と思いました。実際には、代理人たちがすることと全く同じ方法で、自分のマインドがフィールドから必要な情報を得られることをただ信頼するだけです。問いかけをすると、あなたは代理人をするときのように、クライアントの家族のフィールドに入っていきます。そして少なくとも、ある感覚や答えの感触を得るのです。

コンステレーションが行き詰まるときには、何かが不足しているか必要とされています。このときも同様に、「ここで何が欠けているのか」と問いかけます。この内的な質問を通して、その家族で失われていたものにマインドの周波数を合わせます。もし自分自身に何も浮かばなくても、代理人たちの誰かに何らかの体感としてあらわれるかもしれません。ですから、代理人たちの微細な変化にも常に注意を払います。

最初のインタビューでは時折、クライアントが持ち出しているよりも深いイシューが存在すると感じることがあります。その核心に迫るには、クライアントにどう問いかけるべきでしょうか。ここでも、あなたはクライアントのフィールドに入り、実際にそれが何なのかを感じ取ります。そうすることで、イシューのより本質的な部分へ導く問いかけができます。

ファミリー・コンステレーションのとても大切な要素に、その場で声に出されるべき言葉があります。正しい言葉はある人の閉ざされたものを開き、状況を動かしはじめます。そのような言葉も、同じ方法で見つけることができます。「どんな言葉が、この痛みを癒やすだろうか。代理されているその人に届くのはどの言葉か。被害者/加害者のハートを開くことができる言葉は何だろうか」すると、言葉がやってくるのです。

わたしたちはよく、ある人が語る内容に着目しますが、「クライアントが語っていないことは何か、クライアントが触れていない人は誰なのか」についても問いかけることが必要です。ときにはそれは明らかです。例えば、あるクライアントは母親との難しい関係の説明に時間を割く一方で、父親については触れないままです。多くの場合そこに、より大きな痛みが存在します。語られることより、語られないことのほうが重要な場合があります。

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